イノセントヴィーナス

最初から最後まで観ましたよ。ロリもホモもそこそこに満たしてくれる作品でした。けれども、そこそこでしかない、という感じ。
主人公幼女がヴィーナスであるくだりの、息子たち7人が登場してきたあたりが作品としてのピークでした。ジンが裏切って、ジョーを刺して、色々残酷なことたちがわかって、というあたりです。あのへんは割と夢中になったし、キタコレと思いました。(そのあとの「あの時助けてくれたのはジョーあなただったのね……!」という、ジンジン言っていた幼女をジョー贔屓にするためのとってつけたようなエピソードとかは笑止千万でした)(もっと!こう!なぜ…なぜなんだジン……!を!!)
あと驚愕するべきは、ゴラが何かありそうで何もしでかさないままに終わった点です。ただの(物語的に)便利な小僧じゃねーか!!!がっかりだ!!!
最終的になんだかオカルトめいたあたりとか、潜水艦「威信」の関連は必要だったの……?なところとか、不満点も多いです。世界を揺るがす力としてのヴィーナスなので、政治に絡めたいというのはわかるんですけれども、もっとドブの中を這いずり回る3人にしたほうが良かったんじゃないかなぁ。薩摩とかいらないんじゃないかなぁ。だってあのへんのくだりは、蜂起してもキタコレってなれなかったもの。足りない描写をするくらいならバッサリやめるべきだと私は思います。まぁ、ハウルにそっくりな黒髪の船長をやりたかったのかな…あと、着物が右前なのが意図的だったというのは「うわーくだらない仕掛けしてんなー」と思いました。
あ、なんか酷評めいてしまった。でも設定はすごい良かったと思うんです。ジンとジョーが元々はあの変態チーム「ファントム」の一員だったとか(そうそう、あの変態チームの入れ墨坊主さんは、良かったよ。あのナイフなめたりする自意識過剰そうな人は厨設定っぽくていらなかったよ。あと女性は簡単に寝返りすぎだよ)、グラディエーターの秘密とか。威信関係をまるまるカットして、もっとアングラっぽい匂いの暗い暗い物語だったらもっと評価できたかもしれません。